転売撲滅が難しい点を考える

2022年4月7日、東京ディズニーシーで新グッズが発売され、転売目的と思われるゲストによる様々な行為が取り沙汰されました。

徹夜や早朝ダッシュ、ベビーカーに人形を乗せてグッズ購入の個数制限を掻い潜ろうとする猛者の出現などなど・・・。それらのゲストすべてが転売目的だったのかはさておき、ディズニーのグッズが多数転売されていることは、ネットフリマを見れば間違いありません。

転売を続いているということは、商品が売れています。すなわち、転売先の買い手がいます。極端な表現をすると1つの市場ができあがっている、と捉えることができます。仮にパークグッズがとても好きな遠方に住むファンがいたとして、欲しいグッズが発売されたとします。通常かかるであろう旅費と時間が浮くのであれば、倍額でも買いたくなるかもしれません。"転売屋からは買うな!!" と声高らかに注意喚起をしたところで、個人の自由である以上買い手がなくなることはないでしょう。

転売の温床と言われるネットフリマは個人間の取引であり、営利目的なのかどうかは売り手本人しかわからないため、その取引を取り締まるには限界があります。買い手がいる点、取り締まりが難しい点、という2つが転売対策の難しさです。

では、東京ディズニーリゾート(以下TDR)でたびたび起こるグッズ発売日のパニックと横行する転売を止めるにはどうすればいいか。それは、大元の販売側=TDRが何らかの対策をするしかありません。

現在のTDRのグッズ販売は、転売屋を通じてグッズを欲しい人に商品が渡り、最も大事にすべきパークのゲストがグッズを買えない状態です。単にTDRのグッズ売り上げで言えば何も問題ないですが、買い手が欲しているものが手に入らない状況は物売りとして最悪です。この状況をTDRの小売部門がどう捉えて、どのような理想形を考えているのかとても気になります。

遠方など現地に来れない人も含めてたくさんの人に商品を届けるにはネット通販を開放(※)することで簡単に実現できます。しかしながらそれをしないのは、コストの問題なのか別の理由で戦略上今の形を選択しているのか。物売りの企業に携わる者として、とても理解に苦しみます。

TDRのネット通販は、新発売する商品はパーク入場者に限って販売する制限がかけられている

対応にあたられた現地のキャストさんには気の毒です。日々、おつかれさまでございます。

今後TDRがどういった対策を取るのか、バイヤーの餌食となり続けてしまうのか、見守りたいと思います。