AWS CLIとは
ブラウザ上でポチポチするのも良いですが、やりたいことをサクッと一瞬でやるにはコマンドラインが便利です。AWSにはAWS Command Line Interface(以下AWS CLI)というツールが用意されており、ローカル端末にインストールすることで簡単にAWSを操作できます。
そこで、日頃使っているChromebookにAWS CLIを入れてみることにします。バージョンは最新の2にします。 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cli/latest/userguide/cli-chap-welcome.html (2021/9/16現在)
Chromebookには標準でLinux開発環境が入っており、設定をオンにするだけでLinux環境を使うことができます。ありがたいですね。
前提条件の確認
インストール手順はDocker、Linux、macOS、Windowsが案内されており、今回はLinuxの手順に沿って実行していきます。 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cli/latest/userguide/install-cliv2-linux.html
インストール手順には前提条件が記載してあります。
- ダウンロードしたパッケージを抽出または解凍できる必要があります。オペレーティングシステムに組み込み unzip コマンドがない場合は、同等のコマンドを使用します。
- AWS CLI バージョン 2 は glibc、groff、および less を使用します。これらは、Linux のほとんどの主要なディストリビューションにデフォルトで含まれています。
ふむ。それぞれLinuxに含まれているか確認してみます。
unzip
groff
less
はコマンドがあるためOKでした。
glibc
はコマンドではなくライブラリのようで、色々調べた結果、Chromebookに /lib/aarch64-linux-gnu/
にライブラリが含まれていました。参考までに確認コマンドと結果を載せておきます。
$ /lib/aarch64-linux-gnu/libc.so* GNU C Library (Debian GLIBC 2.28-10) stable release version 2.28. Copyright (C) 2018 Free Software Foundation, Inc. This is free software; see the source for copying conditions. There is NO warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. Compiled by GNU CC version 8.3.0. libc ABIs: UNIQUE ABSOLUTE For bug reporting instructions, please see: <http://www.debian.org/Bugs/>.
前提条件をクリアしていることを確認しましたので、次項で実際にインストールしていきます。
実際にAWS CLIを入れてみる
- この手順の前提条件
- AWSのIAMユーザーを持っており、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーが手元にあること
- Chromebookのターミナルが使える状態であること(参考 Chromebook で Linux をセットアップする)
- 手順はLinux x86ではなくLinux ARMの方に沿って実施すること
インストール手順を見ると Linux x86 (64bit)
と Linux ARM
の2つがあります。ん?ARM?と思って調べたところ、携帯機器にほぼ標準で搭載されているプロセッサだそうです。ターミナルでCPUを確認します。
$ lscpu Architecture: aarch64 Byte Order: Little Endian CPU(s): 8 On-line CPU(s) list: 0-7 Thread(s) per core: 1 Core(s) per socket: 4 Socket(s): 2 Vendor ID: ARM Model: 4 Model name: Cortex-A53 Stepping: r0p4 BogoMIPS: 26.00 Flags: fp asimd evtstrm aes pmull sha1 sha2 crc32 cpuid
おぉ、Vendor IDがARMですね。ということで手順はLinux ARMのものに従って作業します。Chromeのターミナルは立ち上げたデフォルト、すなわちChromeOSにログインしているユーザで作業します。
1.パッケージをダウンロードする
curlコマンドでパッケージをダウンロードします。ファイル名が長いため -o
で出力ファイル名を指定しています。
$ curl "https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-aarch64.zip" -o "awscliv2.zip" % Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current Dload Upload Total Spent Left Speed 100 40.7M 100 40.7M 0 0 17.3M 0 0:00:02 0:00:02 --:--:-- 17.3M
2.zipファイルを解凍する
ここでunzipが必要なわけですね。解凍できればなんでもよいと思います。
$ unzip awscliv2.zip Archive: awscliv2.zip creating: aws/ creating: aws/dist/ 〜〜〜〜〜〜 略 〜〜〜〜〜〜 creating: aws/dist/lib/python3.8/config-3.8-aarch64-linux-gnu/ inflating: aws/dist/lib/python3.8/config-3.8-aarch64-linux-gnu/Makefile
3.インストールする
sudoしてインストールを実行します。
sudo ./aws/install You can now run: /usr/local/bin/aws --version
途中経過のメッセージはなく、バージョン確認のコマンドだけ表示されました。
実行してみます。
$ aws --version aws-cli/2.2.38 Python/3.8.8 Linux/5.4.131-16046-g83914013f376 exe/aarch64.debian.10 prompt/off
2021/9/16現在で最新のv2.2.38がインストールされました。
インストール作業そのものはたったの3行で終わりましたが、前提条件の確認に時間がかかりました。Chromebookで作業する同士たちの役に立てれば嬉しいです。
まとめ
- AWSをコマンドラインで操作できるAWS CLIがある
- ローカル端末などにパッケージをインストールすることでAWS CLIが利用可能となる
- ChromebookのLinux仮想環境には
Linux ARM
の手順に沿って作業すべし - 気軽にLinux環境を整えられるChromebookは素晴らしい